遺伝子の勉強の時に、用語がsuper confusingという経験はないでしょうか。
遺伝子とDNAとゲノムの違い
DNAから説明すると、DNAというのはデオキシリボ核酸(DeoxyriboNucleic Acid)の略語である。DNAは、デオキシリボース(糖)とリン酸と塩基(アデニン、チミン、シトシン、グアニン)でできたヌクレオチドが連なった化学物質なのだ。(ヌクレオシドは糖と塩基がくっついたもの)
DNAはらせん状の二本鎖の形を取っていると表現され、イメージは二本の糸がグルグル螺旋階段を作るような感じである。
それに対して、遺伝子というのは、DNAという二本の糸の中に含まれている情報のことを指す。
また、遺伝子の英語はgeneといい、それに全体という意味の「ome」を後ろにつけると、genomeになる。つまり、ゲノムとは遺伝子全体のことを指す。
染色体とは
染色体とは、DNAがヒストンというタンパク質のボールに巻き付けられて固まってできた棒状の物体を言う。構成としては、DNAが1つのヒストンに巻き付けられた部分をヌクレオソームと言い、それが集まったものをクロマチンといい、クロマチンが棒状に集まってクロマチン線維、それが完全に1本の棒に凝縮されれば、chromosome(染色体)になる。
ちなみにクロマチンには、ヒストンに強く巻き付いているヘテロクロマチンと、緩く巻き付いているユークロマチンが存在する。(ゆーるく巻き付いているのがゆークロマチン)
人の核には、44本の常染色体と、2本の性染色体を合わせた46本の染色体が存在する。
相同染色体とは
人は、44本の常染色体を持っているが、これらは2本で1対になっている。対になっている母由来の染色体、父由来の染色体の2本の染色体のことを、相同染色体と呼ぶ。相同染色体は同形で同じ大きさのものである。
姉妹染色体とは
DNAが複製されると、1番目の、2本の相同染色体は、もともとあった母由来の染色体、父由来の染色体がそれぞれ2本になって、4本になる。この母(父)由来の1本の染色体が2本になった時、この2つを姉妹染色体と呼ぶ。
減数分裂
生殖細胞でおこる分裂で、一度の複製と一回の組み換え(母由来と父由来の染色体がくっつく部分をキアズマという)と2回の分裂を通して、染色体の数が半分になる。下の図は1対のみの相同染色体の減数分裂を表したが、実際はこれが核内に存在する計22対の常染色体で行われる。(性染色体ではXYが混ざった染色体ができないように組み換えが起こらないと予想するが、よくわかりません)これによって、染色体の数が半分になった精細胞と卵細胞が作られる。精子と卵子が出会うことで、受精卵となり、46本の染色体をもった細胞となる。減数分裂はいつ行われるかは男女によって違う。
減数分裂が行われる前に、まず始原生殖細胞という細胞が将来精巣、卵巣となる場所に行き、男性ホルモンや女性ホルモンにさらされることによって、精原細胞または卵原細胞に分化する。これらは成長にともなって、体細胞分裂で数を増やしていく。ここからのプロセスは男女によって異なる。
男性の場合は、思春期に男性ホルモンにさらされることによって、精原細胞が一次精母細胞になり、減数分裂が行われ、1つの精原細胞から、4つの精細胞に分裂する。この細胞は染色体の数は半分になっている。
女性の場合は男性よりも複雑で、生まれる前の胎児期に卵原細胞は一次卵母細胞に成長すると、第一減数分裂が開始する。生まれると、第一減数分裂前期の状態で停止する。思春期になって排卵時など女性ホルモンに多くさらされると、減数分裂が再開するが、第二減数分裂中期で停止する。この時、第二卵母細胞と第一極体になっている。排卵によって、第二卵母細胞が放出され、精子と出会うと減数分裂が再開し、第二卵母細胞は卵細胞と第二極体に分裂する。1つの卵原細胞は1つの卵細胞と3つの極体に分裂し、染色体の数は半分になっている。
体細胞分裂
体細胞でおこる分裂で、1回染色体を複製して1回分裂するので染色体の数は変わらない。体のあらゆる細胞を増やす場合に行われる。そして、同じ個体(私なら私)の中にある細胞は、例えば皮膚や、筋肉、神経の細胞など、全て同じゲノムを持っている。
細胞周期
細胞は、複製して分裂して成長してを繰り返すが、そのルーティーンを細胞周期という。M期は前期、中期、後期、終期、細胞分裂期の順で分裂が見られる。
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